マイカーはリースにして経費計上にすべし
仕事で使う車ならば現金一括で購入しても、たとえローンを組んだとしても経費として計上できる。
しかし、資産と見なされるような大きな買い物の場合、減価償却として、毎年決まった額を経費として計上できるので、その全額を初年度に経費として落とせるわけではない。
車の減価償却は、新車では普通自動車で6年(72か月)、軽自動車で4年(48か月)と法定耐用年数が決められている。
中古車では耐用年数がすでに経過している車に関しては2年、耐用年数が経過していない車は「(法定耐用年数ー経過した年数)+経過年数×20%」の計算式で減価償却額を求めることになっている。
例:中古車で3年落ちの普通自動車を購入した場合
(72か月ー36か月)+経過年(36か月)×20%=43.2か月(3年6か月)
1年未満は切り捨てなので「3年」が耐用年数という計算。
中古車だと計算が分かりにくいので、ここは新車の普通車として考えてみよう。
※トヨタキントのシミュレーション結果をスクリーンショットしました。
ライズを現金一括で買ったら「2,095,860円」とあるが、値引きがあって「200万円」というのが実際のところだろう。
これを減価償却として考えると、
200万円÷6年=333,333円/年 (200万円÷72カ月=27,777円/月)
という計算になる。
そのうえ、別途任意保険と、自動車税、自賠責保険などで、40万~50万円はかかってくる。
これがリースにすると、上のスクショしたシミュレーションでは、月に「45,100円」を経費計上できることになる。
上のシミュレーションは、耐用年数の6年乗り続けることを前提にしていて、リースは、3年なので、使用年数が違うし、現金で買った場合、次の車に乗り換えるときの「下取り」の価格が入ってくるので、新車でも6年乗り続けるなら結果の総額はあまり変わらなくなってくる。
しかし、2年、3年で車を乗り換えていく家庭にとっては耐用年数が6年と決められている減価償却では、経費としての処理が少なくなり、リースの方が圧倒的にコストパフォーマンスが優れているというか、節税効果が高い。(自営業者にとって)
経費処理が楽(法人・個人事業主)
法人や個人事業主にとって、月々支払う利用料を経費として処理することができるのはリースの大きなメリットです。法人や個人事業主が新車を購入した場合は、一定期間かけて減価償却していきますが、リースの場合は月々定額の支払いを経費として計上します。
また、前述したメンテナンスや車検の費用、税金を都度支払ったりする手間がなく、諸経費込みの定額であることも、経費管理がしやすくなるメリットと言えます。
経費として認められるとは?
個人事業主は仕事で使うものの購入において経費が認められますが、車にかかるお金をすべて経費計上できるわけではありません。
あくまでも仕事に関わった部分のみ経費計上が認められているので、1台の車で私用と仕事用とを兼用している場合は注意が必要です。
【個人事業主は必見】車の経費計上方法や節税効果を紹介!
「経費」として認められるのは「仕事として使ったもの」だ。
これは当然の話だが、分かっていない人が多い。
「スーパーで買った食料品って落とせるのかな」に関しては、それが仕事で使ったものであれば、当然落とせる。
例えば、料理の仕事をして、それが仕事であれば落とせるわけだ。
レストラン業ならば当然のこととして、料理教室や、料理の作り方をYouTubeでUPすることがビジネスになっているならば経費になる。
料理教室でなかったとしても、自宅でビジネスの話(会議)をするための飲食なのであれば、科目は「接待交際費」にして、摘要に「会議での飲食代」として会計ソフトに入力すれば良い。
さて、自動車だ。
これを経費で処理するとはどういうことだろう。
上のコラムからの抜粋にあるように、
あくまでも仕事に関わった部分のみ経費計上が認められている
複数のクルマを所有していて、1台を仕事のクルマ、もう1台を自宅のクルマと使い分けているならば、その「1台の仕事用」のクルマのお金は全額経費で落とせる。
(リースではなく購入した場合は、減価償却すること)
2台持ちで、私用とビジネス用と区別できるならば、自宅用を軽自動車、ビジネス用をベンツとして、ベンツを経費で落としても良いのだ。
しかし、そう2台持ちをしている個人事業主も少ないだろう。
そこで1台で、自宅用もビジネス用も両方兼ねている場合に「家事按分」という概念が出てくる。
個人事業主は、自宅を事務所として兼ねている人も多いことだろう。
その場合、電気代なんかを経費処理するうえで、家事按分が必要だ。
一カ月の電気代が、「7,000円」のAさん
ほとんど家で仕事をしているとはいえ、朝と夜は「自宅」としても活用しているケース。
パターン①:24時間の内、仕事で電気を使っているのが12時間、自宅として使っているのが12時間と「50:50」と考えるならば、「3,500円」を光熱費として計上する。
パターン②:70㎡の2LDKのマンションで、1部屋(15㎡)を事務所として使っていると考えるならば、「1,500円」を光熱費として計上する。
パターン③:月曜から金曜の5日は、「仕事」、土日の2日間が「自宅」と考えるならば、5/7で、「5,000円」を光熱費として計上する。
これが家事按分の考えだ。考え方によって、金額は変わってくるがそれが「按分」というものだから、どう捉えているのかを説明できれば良い。(税務署から説明を求められた場合)
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つまり、この光熱費と同じ考えを、自動車に当てはめれば良い。
話を分かりやすく、前述のトヨタKINTOで、月々「45,100円」のリースにした場合。
パターン①:家と仕事との使い分けは「半分:半分」というイメージならば、「22,550円」を、「車両費」として計上する。
パターン②:月曜から金曜を仕事、土日を自宅という使い分けをしているならば、5/7で、「32,214円」を「車両費」として計上する。
これが1台で、仕事用と家事用と兼ねている場合の家事按分の考え。
ガソリン代も同じ考えで落とすことができる。
高速道路代や、コインパーキングはそれが単体で仕事かどうかを判断できるので、仕事で使ったならば当然全額経費だ。
仕事で使わないのであれば、経費として認められないが、車を持っているのに、仕事で一切使用しないという個人事業主も少ないだろう。
ご参考まで。