もうどれだけ純白のブリーフを履いていないだろうか。
今の小学生のガキがどんな下着を身に着けているのか知らないが、私が小学生だった昭和の時代、すべての男子は白のブリーフを履いていた。
今やそんなことはないらしいが小学校の6年間、体育の時間でのお着換えは、自分のクラスで男女一緒にやっていた。
だから男女ともに下着はどんなのを身に着けているのかは分かっている。
男子は漏れなく純白のブリーフだった。
それが中学生になって、色気づいてきた頃、男子でもトランクスを履くようになる。
それが風通しによる機能的というのが一番の理由だけれど、そんなことは関係なく「白ブリーフ=ダサい」という図式だけから来る衣替えだった。
高校生以下を「生徒」という。
生徒とは、生きている徒(いたずら)だ。
その存在そのものが「徒」である。
なんのことも考えてはいない。
ブリーフがダサいと思って、履くのを止めたのだ。
私もその例にもれず、13歳から48歳までのこの35年間、ブリーフを履かずに来た。
いや、来てしまった。
柄の入りまくったスカスカのトランクスに始まり、大学生になったころから「ニットトランクス」というそれっぽいものに履き替える。
ジーンズの腰履きよろしく、男性の下着をあえて見せるという色気付きを見せる輩も出てきた。
見せるということから、そこで登場したのが「カルバンクライン」だ。
あの下着の機能なんて意味はない。
あのブランドロゴを見せることだけに意味がある。
色気付いてくることの男は、モテたいからというしょうもない理由から来るものだ。
もっとハッキリ言うなら、Hな場面に遭遇したときのために、ダサい下着だと具合が悪い、というだけのこと。
だから、機能がどうこういうのは嘘。
そこで、私だが、大企業を早期退職して見栄を張るのを止めた。
見栄を張るってことに、良い女とよろしくなりたい、という下心も含まれるわけで、そういう色男の見栄は私にはもう全くない。
ないものは仕方がない。
Hな場面を想定しない今、私が履くべきパンツは、白ブリーフなのではないかと思い至った。
これが男の最終形態なのではないかと。
真っ白な純白パンツっていうのをトランクスで選ぼうにも、ソレがない。
全く売っていない。
良いところ、薄いグレーっていうのがギリギリだ。
訳の分からない柄が入っていたり、やたらド派手なパンツばかり。
白のがあったと思ったら、例のカルバンクライン。
こんなロゴが入っているのは絶対やめたい。
つまり、純白パンティーをやろうと思ったら、DVDのソレ一択なのである。
この思いに至ったのは年末。
イオンの下着売り場で改めて新調。
このパッケージに、こう書いてある
Finest Touch
ふっくらソフト最上級の肌ざわり
これだ。
これ以上の品、あるー-??
元旦から履いてやろうと意気込んでいたけれど、その期を逸しまして、つい先日スーパー銭湯に行ったときに、35年ぶりに履いてみた。
おー、これよ!このフィット感すばらしー!
という結論を期待して履いてみたが、
そんなフィットしているわけではない。
無駄に股間部分にゆとりがある。
そして、フィット感があるのが、フトモモの付け根部分。
しばらくここをフィットしていなかったから初めて履くような新鮮な気持ち。
いうならば、
女性もののショーツを履いている感じ。
これが男性下着のベストか、と問われればそういう履き心地ではない。
ただ、オッサンになって白ブリーフを履くことでのつまらない潔さがあるだけ。
だって、オッサンになって色っぽい下着をつけているってかえって恥ずかしいじゃない?
B.V.D. って何だろうって調べたらこう出てきた。
BVD is a brand of men’s underwear, which are commonly referred to as “BVDs”. The brand was founded in 1876 and named after the three founders of the New York City firm: (Joseph W.) Bradley, (Luther C.) Voorhees, and (Lyman H.) Day (thus “B.V.D.”).
へえ、アメリカ発のブランドだったのね。
俺って、国産品愛用を信条にしているから、ここはグンゼだよな。
調べたら、グンゼのブリーフでこれが一番高級だったから、今度これ買おう。
「前あき」しかない。
私、前あき嫌いなんだよなぁ。
あれって開いている意味あるー??